伊方原発3号機、深夜に運転再開 来月から営業運転

 四国電力は27日、愛媛県伊方町の伊方原発3号機(出力89万キロワット)の運転を27日午前0時30分に再開したと発表した。順調に進めば30日に送電を始め、11月28日に営業運転に入る予定だ。 3号機は東日本大震災後の新規制基準の下で2016年8月に再稼働した。昨年10月に定期検査に入り、今年1月に送電を始める予定だったが、広島高裁が昨年12月、今年9月までの運転を差し止める決定を出し、そのまま停止。広島高裁の別の裁判官が9月の異議審で決定を取り消し、運転できる状態になった。伊方原発の1号機と2号機は廃炉が決定している。(前田智)

最大の輸出先は日本 豪州真珠産業に世界初のお墨付き

 オーストラリアの真珠産業が「海のエコラベル」として知られる国際NGO海洋管理協議会(MSC)の認証を受けた。真珠産業の認証は世界で初めてで、近年、宝飾品にも求められる環境への責任に応える。日本との関係も深い豪州の真珠業界の取り組みを見た。 穏やかな南洋の湾内に停泊した船の甲板で大きなシロチョウガイを開くと、白銀色の真珠が現れた。「よい状況で育っている。2年かけて光沢が増します」 豪北西部バンシタート湾にある同国の真珠生産最大手パスパレイ社の養殖施設。トニー・ティエル生産部長が、真珠の原料を埋め込む「核入れ」から1カ月後の状態をチェックした。貝が入る養殖かごには番号入りの札が付く。「この札で貝の数を把握します」 「南洋真珠」として知られる豪州の真珠は、大きいもので直径が20ミリにもなる。鮮やかな光沢で評価が高い。現代の真珠産業は、真珠を作る母貝も養殖する場合が多いが、豪州では、南洋真珠の特長を維持していくため、母貝は天然貝にこだわる。MSC認証を受ける最大のポイントは、その採集が生息数に影響を与えないかだった。 真珠産業が集まる西オーストラ…

高速実験炉「常陽」、設計変え出力縮小 運転再開を優先

 政府の高速炉開発の柱となる高速実験炉「常陽」(茨城県)の運転再開に向けた審査を巡り、日本原子力研究開発機構は26日、設計を見直し、熱出力を14万キロワットから10万キロワットに縮小する、と発表した。避難計画作りが必要な自治体が半径30キロ圏から5キロ圏に狭まり、説明する対象の自治体を減らすことで、早期の再開をめざす考えだ。 機構は26日、原子炉に入れる燃料を85体から79体に減らすよう設計を変えた申請書類を原子力規制委員会に提出した。理由について「安全性強化のため」と説明した。地震の揺れの想定(基準地震動)を引き上げたため、耐震補強工事費などが増え、対策費は約54億円から約170億円に膨らむ見通し。運転再開の目標は、従来より1年遅れの2022年度末としている。 機構は昨年3月、運転再開に向けた審査を規制委に申請し、14万キロワットの設計のまま10万キロワットで運転すると説明した。これに対し、当時の田中俊一・規制委員長は「ナナハン(大型バイク)を30キロ以下で運転するから、原付きバイクの免許でいいと言っているようなもの」「福島第一原発事故を反省しているのか。説明に手間取るという言い方をしており、地元に対する意識がおかしい」などと批判。規制委は審査を保留していた。 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の廃炉が決まり、政府は年内に今後10年間の高速炉開発の工程表をつくる方針。14年の日仏合意で、常陽ではフランスの高速炉「アストリッド(ASTRID)」計画の一環として、共同の照射試験などが計画されている。(小川裕介)

伊方原発、運転差し止めの期限延長求めた住民側敗訴

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を今年9月末までの期限で差し止めた広島高裁決定をめぐり、広島地裁は26日、広島市などの住民4人が期限延長を求めた仮処分の申し立てを却下した。藤沢孝彦裁判長は「巨大噴火による事故のリスクは急迫していない」とした上で、「広島地裁で係争中の運転差し止め訴訟で決着されるべき問題」と判断した。 伊方原発をめぐっては、広島高裁が昨年12月、約130キロ離れた阿蘇山(熊本県)について「約9万年前にあった過去最大規模の巨大噴火が起これば、火砕流の影響を受けないとはいえない」と判断し、今年9月30日まで運転を差し止める仮処分決定を出した。これに対し、住民らは「差し止め期限に理由はない」として、今月1日以降も運転を差し止めるよう広島地裁に仮処分を申請していた。 一方、四電はこの高裁決定を不服として保全異議を申し立て、広島高裁の別の裁判官が先月25日、異議審で決定を取り消していた。「(破局的噴火のリスクを)容認する社会通念があると判断するほかない」などとした上で、破局的噴火以外で火砕流が伊方原発に達する可能性は十分小さいと判断した。 四電は27日、伊方原発3号機の運転を再開する予定。(新谷千布美)

遺伝子組み換えの種100粒なくす 立命館大、郵送中に

 遺伝子を組み換えた実験植物「シロイヌナズナ」の種を郵送中に紛失したとして、文部科学省は24日、立命館大を文書で厳重注意し、発表した。 生命倫理・安全対策室によると、立命館大の教員が今年5月、特殊なたんぱく質の遺伝子を組み込んだシロイヌナズナの種約100粒をプラスチックのチューブに入れ、封筒で郵送。5日後に受け取った横浜市立大の担当者が確かめると、封筒が破れてチューブがなくなっていた。 立命館大は6月に事態を文科省に報告。遺伝子組み換え生物の拡散を防ぐ具体的なルールを作るなどの再発防止策をまとめた。

再生エネルギーの課題浮き彫り 九電の太陽光出力抑制

 九州電力はこの秋、太陽光による発電を一時的に送電線に流さないようにする「出力抑制」に、離島をのぞき国内で初めて踏み切った。電力は増えすぎても大規模な停電が起こる可能性があるため制限した。原発事故以降、再生可能エネルギーを「主役」にしようとする、日本のエネルギー政策が正念場を迎えている。 通常、太陽光発電の電力は九電の送電線を通って利用者に届けられる。九電はいずれも土日にあたる13、14日と20、21日の計4回、太陽光の電力の受け入れを一部ストップした。必要な量よりもつくりすぎて余る懸念があったからだ。 電力は使用量(需要)と発電量(供給)を常に同じくらいにしないといけない。この需給バランスが崩れると、電力の品質にあたる周波数が乱れ、発電所が故障を防ぐために次々に止まり、大規模な停電につながる恐れがある。 もちろん、無条件に受け入れを…

黄金色に染まるススキ 箱根・仙石原、来月中旬まで見頃

 神奈川県箱根町の仙石原で、一面に広がるススキ群落が見頃を迎えている。18ヘクタールの草原を貫く700メートルの遊歩道を歩くと、夕日に照らされた黄金色の海原のようだ。町観光協会によると、ススキは茎まで茶色くなる11月中旬まで楽しめそうだという。(飯塚晋一)

♪人工羽化の赤とんぼ、数えてみたら過去最多 兵庫

 童謡「赤とんぼ」を作詞した三木露風のふるさと兵庫県たつの市で、NPO法人が赤トンボ(アキアカネ)の人工羽化に取り組んで10年。今年、過去最多の351匹が飛び立った。適した条件を研究し、環境を整えてきた成果だ。 NPO法人は「たつの・赤トンボを増やそう会」。全国的に減っている赤トンボを増やそうと、地元有志が2008年に結成した。 会では毎年10~11月、たつの市の北隣にある同県宍粟(しそう)市の山中で、交尾しているアキアカネのメスを捕まえ、水を張った瓶に直径約0・5ミリの卵100~500個ほどを産ませて採取。瓶を冷蔵保管して越冬させ、3月に土と水を入れて稲の苗を植えた飼育箱へ卵を移す。4~5月にヤゴが孵化(ふか)するとエサのミジンコを与え、6~7月ごろから羽化させている。 11年に初めて15匹の羽化に…

東海第二原発の再稼働に反対表明へ 茨城・那珂市長

 再稼働を目指す日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)を巡り、同村に隣接する那珂市の海野徹市長は24日、市民団体の要望書提出を受け、再稼働に反対する意向を表明した。3月に原電と安全協定を結び、「実質的な事前了解権」を持つとされる6市村で、首長が再稼働反対を明言するのは初めて。 東海第二は首都圏にある唯一の商用炉で、東京電力福島第一と同じ沸騰水型炉(BWR)。周辺30キロ圏内には、全国の原発で最多の96万人が住む。 海野市長は同日、市民団体「原発いらない茨城アクション実行委員会」(水戸市)との面会の場で、「(再稼働には)ノーと言わざるを得ない。避難計画も完璧なものは不可能」と答えた。海野市長はこれまでの取材に対し、事故時に被害が拡大する恐れがあることや、昨年実施した市民アンケートで再稼働に「反対」と答えた市民が約65%に上ったことを反対の理由に挙げていた。また、来年2月に任期満了を迎えるため、「自らの意思を市民に示す必要があった」と話していた。 同委員会は、6市村に「1市村でも了解しなければ先へ進めないという合意はあるのか」などの説明を求める要望書を提出しており、これまでに高橋靖・水戸市長と山田修・東海村長に手渡した。残る3市にも要望書を出すという。 東海第二は11月27日に40…

近大、マグロの次はアナゴに挑戦 完全養殖へ模索続く

 希少マグロの次はアナゴ――。全国で漁獲量が減っているアナゴを人工孵化(ふか)した卵から成魚に育てる「完全養殖」で増やそうと、クロマグロの完全養殖に世界で初めて成功した近畿大学水産研究所が、漁場のある自治体と研究を進めている。成功すれば、マグロに続く「快挙」となる。 富山県射水市(いみずし)にある同研究所の富山実験場。直径8メートルの水槽に沈められた筒の中に何匹もの研究用アナゴがいる。三つの水槽にいる計約7千匹は5月、大阪府泉南市から送られてきた。 エサの時間になると、水をはね上げ、配合飼料に食いつく。到着時は1匹約30グラムだったのが、約半年で150~250グラムまで成長した。別棟の水槽にも、兵庫県姫路市から送られた1匹1キロ近い極太のアナゴが、のっそりと泳いでいた。 「漁獲量が減り、研究用のアナゴを集めるのも大変」と実験場長の家戸(かと)敬太郎教授(50)は話す。 農林水産省の統計によると、食用として人気の高いマアナゴを含むアナゴ類の全国漁獲量は減り続けており、1995年に約1万3千トンだったのが2016年に3606トン。特に瀬戸内海区にある漁協の落ち込みが激しく、03年の3221トンが15年に1千トンを割って821トン、16年は758トンに。家戸教授によると、温暖化による海水温の上昇などが原因とみられる。     ◇ 近大水産研究所は02年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。「近大マグロ」をブランド魚として定着させた。次に目をつけたのが、養殖技術が確立されていないアナゴ。和歌山県白浜町の白浜実験場で04年、孵化してまもないアナゴの仔魚(しぎょ)「ノレソレ」の養殖研究を始めた。 アナゴの生態は謎が多い。産卵場所さえ長く不明だった。日本の研究チームが調査し、「沖ノ鳥島の南方海域」と発表したのは、まだ6年前だ。卵を持ったアナゴを日本近海で見ることはほとんどないという。 手探りの研究は困難を極めた。…